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フラジオって何? |
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プロのサクソフォン奏者の演奏を聴いていると、通常の音域よりも高い音を時々演奏していることに気づくことがあります。これがフラジオです。
細かく言うとフラジオはフラジオレット(Flagioletto)の略称で、バイオリンやギターなどの弦楽器で弦の押さえ方を軽くして音を出すと、高い倍音を強調して発生させる技術(音)のことで、管楽器でもフラジオやハーモニクス(Harmonics)という言い方をします。更にさかのぼると、フラジオレットというフルートに近い楽器があったそうです。 |
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倍音って何? |
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倍音とは、言葉の通り、ある音の○倍の音のことです。例えば、ピアノの調律は真ん中の「ラ」(A)の音から始めるそうですが、この音はだいたい442Hz、つまり1秒間に442回弦が振動している状態に調律します。(場合によっては440~443Hzなど、様々なこともあります。)
その1オクターブ高い「ラ」は、実は先ほどの「ラ」のちょうど2倍の振動数、884Hzなのです!
実際に確かめてみましょう。例えば、ギターなどの弦楽器を用意します。(なければ、ティッシュの箱に輪ゴムをつけたような簡易的なものでもOK!)
まずは弦を弾いてみましょう。
♪ピン♪
さぁ、今の音を覚えておいてくださいね?
次に、その弦をちょうど2等分する場所、真ん中あたりを指で押さえて、さぁもう一度・・・
♪ピン♪
さっきと同じ音だけど、さっきより高い音、という感じがしませんか??
これが1オクターブ高いということです。指で押さえた場所がちょうど真ん中ということは、振動数が2倍になるわけですね。他にも、3倍、4倍の振動数の音も存在します。
では更に深い話。
実は、私たちの身の回りのほとんどの音は、こうした倍音を含んでいます。私たちの耳と脳がなかなかそれを認識していないのですが、
例えば第2倍音は少し弱く、第3倍音は少し強く鳴っている・・・など、
倍音の含み方(成分)によって音色は異なるのです。
クラリネットとサクソフォンの音色が違うのも、同じ楽器なのに演奏者によって音色が違うのも、
楽器の構造や演奏者によって倍音の含み方が微妙に異なるからなのです! サクソフォンにおいては、フラジオ、または倍音の練習をすることで、ただ高い音が使いこなせるというだけでなく、通常の音域の音色が良くなるということになるのです。
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倍音を出してみよう! |
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サクソフォンの一番低いドを演奏してみてください。とても難しい音ですよね!?油断するとすぐに高い音に裏返ってしまいます。
他にも、初心者の頃にはよく“リードミス”をして、思わぬ高い音が「ピー」と出てしまうこともありました。
実は、この失敗してしまった音こそ倍音なのです!!これこそ、サクソフォンにおけるフラジオ奏法の原理なのです。
わざと出せばテクニック、偶然出たらミス、といったところでしょうか。次の段階で詳しく説明してあります。 |